Power BIのDAX関数とは何か、なぜ学ぶのか
Power BI Desktopでのレポート開発を経験したことがあれば知っているだろうDAX関数の特徴と、DAX関数を学ぶべき理由についてまとめました。
感覚的にはExcelの関数と似ているので、Excelで関数をたたいたことがある人であれば余裕で理解できると思うのでこの際に理解してしまいましょう。
DAX関数とは?
DAX関数はData Analysis Expressionの略称で、Microsoft社によって開発されたPower BIやPower Pivot上でデータを集計・加工するための言語です。
言語といってもJAVAやPythonといったプログラミング言語程難しくはなく、Excelで使う関数(sumやaverage関数等)が少し難しくなった程度のイメージです。
最初は少々取っつきにくいのですが、一度覚えてしまえばデータ分析の効率が大きく向上しますし、分析の幅も広がります!!
【Power BI DAX関数】
DAX関数を学ぶ理由
まずそもそもですが、Power BIを活用する上でDAX関数は必須ではないです。
Power BIには「ビジュアライゼーション/視覚化」というデータを可視化するためのツールがあり、DAX関数を使わなくても何らかの情報を持ったデータベースとビジュアライゼーションを組み合わせればPower BIでレポートは作れます。
【Power BIの視覚化ツール】
ではなぜDAX関数を学ぶ必要があるのでしょうか。
1.DAX関数固有の計算式が存在する
DAX関数はその名の通り「データ分析」を目的としたツールですので、他にはない分析用の計算式が使えます。
例えば「DATESMTD」というDATE関数とSUM関数なんかを組み合わせれば「過去1か月間の合計値」なんかも簡単に計算できます。
Excelだと、SUMIFS関数で日付データの範囲を満たす場合に合計値を計算するみたいな回りくどい計算が必要かなと思います。
他にも分析に特化した関数が多くありますので分析担当者としてはゴリゴリ計算する手間が減り、また欲しい計算式が見つかる場合も結構多いので、分析担当者に優しい関数なのです。
2.計算式を1つのファイルに集約しておけるのでレポート作成の効率がいい
次のDAX関数の特徴として、複数の計算式を1枚のレポートの中に集約しておけるという点があります。
例えばとある企業の業績分析を行うことを考えた場合、企業の売上額、費用、利益、利益率等様々な軸で分析を進めることが多いと思います。
場合によっては、商品単位や地域単位でといったセグメント別で分析を掘り下げる場合もあります。
こうした分析をExcelやAccessで行っていると、「どの分析レポートで、どんなデータを使っていて、どんな計算式を使っているのか」がブラックボックス化する恐れがあります。
DAX関数を使えば利用した計算式(関数)やデータベース情報も1ファイルに集約させておけるのでレポートの管理運用方法が向上します。
3.DAX関数はPower BI以外のアプリでも使える
何事も初めてのことを学ぶのはしんどいものです。
DAX関数についても、慣れるまでは多少労力が必要です。
ただ時間をかけて学んだDAX関数のスキルは、Power BI以外にもExcelの拡張機能であるPower PivotやMicrosoft Analysis Serviceといった他アプリでも流用出来ます。
Power BIだけでなく他にも転用できる汎用性がある点も長い目で見れば学ぶ意味が出てきます。
4.他のレポートにも流用できる
多くの場合1つレポートを作成し終えたらまた別のレポートを作成することもあるのではないでしょうか。
実際に私もPower BIレポートを1つ作ってみると、「この軸で分析してみて」と別レポートの作成依頼をいただくことがよくあります。
DAX関数で書いた計算式はそのままコピペで別のレポートにも流用できるので、2枚目以降のレポートは1枚目よりも効率的に作成出来ます。
より多くのDAX関数を使いレポートの数をこなせばこなすほど、DAX関数の計算式のノウハウが蓄積されていき、レポートを新しく作る手間が減りレポート作成能率も上がっていきます。
DAX関数の注意点
DAX関数はとても便利なツールなのですが、向き不向きがあります。
「=」を使って数式や、「関数」が知らない人や苦手な人にとってはしんどいです。
そのため、部署異動や転職等でDAX関数を使った仕事を別の人に引き継がなければいけない際に困ります。関数を扱うことに慣れている人が見つかれば問題ないですが、最悪レポートが引き継がれずレポートの運用が風化してしまうリスクが存在します。
また、DAX関数はプログラミング言語程難しくはないものの、慣れるまでには勉強が必要です。 データの型が間違っていたりデータのリレーションがうまく紐づかずエラーになるケースが頻発すると、ストレスになります。
実データを使ったDAX関数の実践編動画アップしました!参考にしてみて下さい!
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