BIプラットフォームのマジック・クアドラント過去10年の推移
イギリスのITコンサルティング会社ガートナー社が毎年発行している「マジック・クアドラント」という調査レポートがあるのですが、
今回はその中の「データアナリティクス&BIプラットフォーム」分野における過去10年間分の推移をまとめてみました。
Contents
マジック・クアドラントとは?
世界的な調査機関、ガートナー社が毎年発行しているITベンダーの市場調査レポートです。
特定の市場におけるITベンダーの能力を「実行能力」と「ビジョンの完成性」の2軸で評価し、下図のように4象限に分類しています。
右上の「リーダー」ポジションが、将来性と実行力を兼ね揃えたベンダーとして、評価が高いとされます。
全世界90拠点を持つグローバル企業のガートナー社が発行しているレポートということで、ここのリーダーポジションに認定されるということは、大きなステータスなわけです。
※ソース:ガートナー社マジック・クアドラント
データアナリティクス&BIプラットフォーム
マジック・クアドラントは、IT業界を様々な分野に小分けして、各ジャンル毎でレポートを発行しています。
当サイトはPower BIの使い方を書いているブログなので、その中でもPower BIが含まれる「データアナリティクス&BIプラットフォーム」の分野の変遷を追ってみました。
2010年~2015年の傾向
2010年から2015年は、多くのベンダーが「リーダーポジション」でポジションを取っていることが分かります。
市場を勝ち取った「勝者」がいない、いうなら群雄割拠の戦国時代的なイメージです。
●2010年
●2012年
●2014年
特に2015年には、多くの企業が中心に寄っていて、競争のピークを迎えます。
●2015年
2016年
2015年→2016年で転換点を迎えます。
Power BIが「ビジョンの完成性」で大きく右に力を伸ばしたことが分かります。
●2016年
ちょうとこのタイミング(2015年7月24日に一般に公開)で、Microsoft社はPower BI Desktopという新サービスをリリースしています。
※公式サイトの発表:Power BI is Generally Available today
Desktop版は無料でユーザーに提供し、Power BI Serviceの方で収益化するという新たなビジネス・モデルが登場した時期でもあり、この戦略が評価されたのでは?と推測します。
2017年以降
2017年以降はというと、2017年にPower BIとTableauの2社がリーダーのポジションを勝ち取り、2強時代の到来という感じです。
●2017年
●2019年
●2021年
ただPower BIの方が、特にビジョンの完成性でTableauの上を行きますし、2021年には実行力でも頭1つ突き抜けた感がありますね。
これは先日発表された2022年の最新のレポートでも同じ傾向です。
●2022年
2022年以降はどうなるか?
2019年、セールスフォース社がTableau社を買収しました。
※2022年のレポートが「Salesforce(Tableau)」になっているのはこれが理由。
今後この買収によって生まれるシナジーにより、Salesforce×Tableau陣営がどのように攻勢を仕掛けてくるのか、とても興味深いです。
あるいは、GoogleやAmazonといった新興勢力が登場するのか。
引き続き注視していきたいと思います。
※ちなみに最新の2023年の結果はこちらの記事にまとめています!!
Power BIが2023年のマジック・クアドラントでリーダー獲得 2022年と比較!
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